財務諸表の読み方 安全性

財務諸表の読み方「財務分析」(7) 安全性分析

■安全性とは
安全性分析とは、事業のために調達した資金である総資本つまり自己資本・他人資本とその資金運用である総資産つまり流動資産・固定資産などとのバランスを確認したり、あるいは自社の返済能力(むずかしく言えば“債務償還能力”といいます)を確認する財務分析のことをいいます。
主に資産と負債・純資産を比べて判断します。

 

■おもな安全性分析
事業の安全性、つまり倒産の危機管理をする方法は数多くあります。
その根本はキャッシュです。キャッシュ、手元資金が十分あればどんなに業績が悪くても会社も倒産はしません。キャッシュ、手元資金とは現金と預金です。この有り高を検証することによって事業の安全性を確認することができます。
ここでは数多くある安全性分析から最重要な3点をご紹介します。

1.手元流動性比率

言葉は少し難しいですが、内容はカンタンです。
手元流動性とは私たち中小企業においては現金と預金のことを指します。
問題はそれを何と比べてチェックするかです。考えてみてください。
そうです、事業の給料とも言える平均月商です。
手元流動性が平均月商の何カ月分あるかによって、安全性を確認します。
では何ヶ月あればよいのでしょうか。それは会社によって違いますから、自社で基準を作ればよいわけですが、一般的には2ヶ月から3ヶ月あればとりあえず安全と考えられます。

2.当座比率

これも言葉は難しいですが、内容はかんたんです。
当座とは、当分のあいだとか近くとか言う意味ですから、この当座比率は近くキャッシュになる資産と近く返済する負債とを比べて、会社の支払能力を確認しようとする分析です。
近くキャッシュになる資産を当座資産と呼び、現金・預金・営業債権(受取手形や売掛金)のことをいいます。
近く返済する負債とは、そうです、流動負債のことです。
この二つを比べて、当座資産のほうが多ければ、つまり100%以上あれば返済能力はまず十分あるということになります。
これと似た比率で流動比率がありますが、これには資産に在庫などが含まれますのであまり当てにはなりません。

3.借入金対月商倍率

これは自社の借入金の過多を確認する分析です。
まず覚えていただきたいとことがあります。それは標準の事業モデルで考えれば、借入金は月商の3ヶ月分以内に抑えるべきだということです。
この標準モデルは営業利益を売上高の10%(高い!?)と考え、その半分5%を返済原資に当てると考えています。
長期借入で5年返済で借りれば60回返済となり、5%を60倍すれば300%となり、つまり売上高3ヶ月分となります。
最長7年返済で考えれば84回で420%となり、売上高約4ヶ月分です。
したがって一般的には借入金は平均月商3ヶ月以内が安全といわれていますが、なかなか私たちの事業では難しいですね。まずそれだけ無理しているのだと自覚することが大切です。
そのうえで、せめて6ヶ月以内、最大でも12ヶ月以内には抑えたいものです。

 

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掲載日:2015年6月16日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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