財務諸表の読み方 効率性

財務諸表の読み方「財務分析」(8) 効率性分析

■ 効率性分析とは
効率性分析とは、投下資本や投資資産が効率的に活用されているかということです。
たとえば3千万円の資金調達をしてA社とB社はそれぞれ事業を始めたとします。
A社はそれで売上を4千万円上げました。B社はそれで売上を3千万円あげました。はたしてどちらの会社が3千万円を上手く活用しているのでしょうか?
最終的な利益は別にして同じ3千万円を投資して事業を始めたなら、より多くの売上高を上げた方が効率的です。これが効率性分析です。
事業の目的は社会貢献ですが、その成果が売上高であり、利益だと言えます。
如何に少ない資金で大きな利益を稼ぎ出すかが良いビジネスモデルだと言えます。
効率性分析は主に資本あるいは資産と売上高や利益を比べて判定します

 

■おもな 効率性分析

1.会社全体の効率性をみる‥総資本回転率
この指標は効率性分析の中でも一番基本的なものです。
総資本、これは繰り返しになります経営者である社長が調達した自己資本と他人資本からなる事業資金です。
この事業資金で原材料や商品を含めた資産を購入し、営業経費と人件費、その他をかけて営業活動を行い売上げて行くわけですが、この総資本回転率とは成果の売上高と調達資金である総資本とを比べて、総資本の何倍の売上を上げたかということです。 たとえば総資本回転率が2.0回であれば、調達資金を運用して2倍の売上を上げたということです。
中小企業の場合、2回以上であれば「良」、0.7回以下であれば「不可」と判断されています。
販売促進が難しい成熟化し多様化している現代は、安売りする傾向にあり、1.5回の総資本回転率を確保することは並大抵ではありません。 総資本回転率を高めるには、売上高を伸ばす必要がありますが、これだけ厳しい経営環境ではむしろ如何に総資本をスリムにするかということがポイントになります。
総資本のスリム化とは、具体的には銀行借入れを減らすことです。
また効率をあげるとはスピード経営を行うということであり、ターゲットを明確にして訴求ポイントやデザインあるいはサービスなどを高め、他社との差別化を図り、オンリーワン企業になるということです。

2.投資資本のリターンをみる‥総資本利益率
この指標は一般的には「収益性分析の指標」と言われていますが、効率性の指標でもあるのです。
つまり、総資本回転率の分子を「売上高」から「利益」に置き換えることによって、調達資金の利益効率性が評価できます。「一体、この調達資金でどのくらい稼いでいるのか」ということです。いくら売上高が多くとも利益がなければビジネスモデルとしては成り立ちません。現在、総資本利益率は業種を問わず軒並み2%を割り込み、1%前後から飲食業界においてはマイナスという状態です。
バブル前後の時には平均4~5%あったわけですから、このことからも今までと同じような経営のやり方では事業が難しくなっているということが分かります。
しかし本来的には20%程度を目標に経営しなければならないことを忘れないでいただきたいと思います。

3.不良債権を未然に防ぐ‥売上債権回転期間
 回転期間とは、簡単に言えば売上何日分に相当する資産や負債を持っているかということです。経営に問題がなければ資産は少ないことに越したことはありません。
なぜならば、調達資金が少なく済むからです。調達資金が少なく済むということは、自己資本の割合が高くなる可能性が高くなるということであり、ひいては借入が少なく済むということです。ということは有利子負債が抑えられますから、安定した経営ができることになります。
 売上債権とは、売掛金と受取手形のことです。その債権を平均日商で割ることで、売上何日分に相当する額があるか計算できます
翌月に回収するならば30日前後しかないはずです。それ以上あれば、未回収債権があるか、あるいは粉飾しているということになります。
これが60日、90日であるならば、2~3ヶ月分の運転資金が必要となります。
この売上債権回転期間は30日前後に経営しなければなりません。そのためには考え工夫することです。糸口は「いままでがこうだったから」というこれまでの経験の上に立って考えないということです。

4.カネ喰い虫の温床‥棚卸資産回転期間
会社の金食い虫が意外と棚卸資産に多いことはご承知のとおりです。
品切れしないようにと考えて、ついつい多めに仕入れをしてしまいがちとなります。
在庫は売れていない状況です。その在庫のための支払はとっくに済んでいます。
また倉庫賃料やそのために短期借入でもしていれば金利もかかっています。
平均的には飲食業や生鮮食料品等を除けば14日前後で管理すべき資産です
 

T&Tマネジメントならびにパートナー税理士法人ではこのような話を経営者の皆様とし、ご一緒に対策を考えるようにしています。
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掲載日:2015年6月24日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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