新シリーズ「財務諸表の読み方『財務分析』」(1)
今回から新しいシリーズです。タイトルは「財務諸表の読み方『財務分析』」です。
何度かお話してきましたが、会計資料である財務諸表は読めなくては、財務諸表を経営に活かすことができません。その読み方を「財務分析」といいます。
「財務分析」というとむずかしいとか覚えなくてはと思われる方も多いかと思いますが、要は「比べて見る」ということです。
例えば「手元資金残高」、金額だけ見ても果たして十分なのかそれとも不足しているのかはわかりません。しかし、1ヶ月の売上高や1ヶ月の総費用などと比べてみると、その過不足が判断できます。
このようなことを「財務分析」と呼び、一般的な比べ方として「財務分析値」があります。しかし、実務で財務諸表を読む場合には、「財務分析値」を覚える必要はありません。自社で意味ある比べ方をすればよいわけですから。
とはいえ、一般的な比べ方である財務分析値を知っておくことは自社ならではの比べ方を生み出す場合に大変役立ちます。そのような意味で、このコラムを気楽に読んでいただければと思います。
■財務諸表(月次試算表・決算書)の数字を見ても事業の問題や課題はわからない
毎月、会計事務所あるいは自社で月次試算表を作成されているかと思います。もう5月に入っていますから、お手元には4月分の月次試算表があると思います。
えっ、ない?5月に入ってもう月半ばなのに4月分の月次試算表がないのであれば、これから4月分の月次試算表を作成されても、価値は半減です。月次試算表は生鮮食品と同じです。鮮度が一番大事です。少なくとも前月の月次試算表は月初には手を入るようにしたいものです。
話が横道にそれてしまいましたが、では手元の月次試算表を見てください。
「おっ、今月は少し利益が出た」・・・①
「現預金が少し減った」・・・・・・・・・・②
「今期はまだ赤字だ」・・・・・・・・・・・・③
「借入金はまだXXX残っている」・・・④
「売掛の回収が悪い」・・・・・・・・・・・・⑤ などがわかるかと思います。
①は、損益計算書「経常利益」の貸方欄を見ればわかります。
②は、貸借対照表「現金」の借方・貸方と残高を見ればわかります。
③は、損益計算書「経常利益」の残高を見ればわかります。
④は、貸借対照表「短期借入金」・「長期借入金」の残高を見ればわかります。
⑤は、貸借対照表「売掛金」借方・貸方並びに残高を見れば金額はわかります。
しかしこれだけでは良いか悪いかは見る人の印象であり、客観的にはわかりません。
つまり、月次試算表の数字だけを見ても、各科目残高はわかりますが、判断・評価はできませんということです。
T&Tマネジメントでは、このような会計支援をパートナー税理士法人とともに「巡回監査」という業務を通じて皆さんの事業経営をサポートしています。
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掲載日:2015年5月13日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術
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