会計で会社をよくできる-4

第4回 会計識字力を上げる

ここまで、会計で会社経営を良くできるという話をしてきました。
そのためには
会計を決算・申告目的ではなく、経営管理(経理)目的でする
経営管理目的でするためには、会計を後処理(暇なときにする)ではなく、現在進行形処理(日常業務)でする
会計は他人任せにするのではなく、トップマネジメント業務と位置づける
会計を制度会計(決算のための会計)から管理会計(経営のための会計)に切り替える
など、経理に対する考え方を変えることが必要です。

しかし、そこまで改善した会計を経営に活かすためには、あと会計が読めるようにならなければいけません。そのことを『会計識字力』といいます。

 

日本社会がここまで発展してきた要因はいろいろ挙げられるかと思いますが、その中で最も大きな要因は「日本人の識字率の高さ」にあったことはよく知られているところです。それと同様に会社を発展させていくためには、『会計識字力』を高める必要があります。倒産した経営者の多くは決算書が読めなかったという話はよく知られているところです(確かに決算書が読めていれば早くからその予兆を知ることができ、多くの場合、倒産を回避できたとも考えられます)。

そこで今回はその要諦を紹介します。詳細は過去の当コラムを参照してください。
その要諦はただ一つ、「資金の調達・源泉および資金の運用・使途を知る」ことだけです。

 

1.資金の調達
資金の調達とは、貸借対照表の負債と純資産のことを言います
負債は他人資本です。純資産は自己資本です。調達とは事業で用しているお金をどこから持ってきているかということです。
事業ですから当然、社外から資金調達することは必要でしょう。しかしそのバランスが問題です。それが異常に他人資本に頼りすぎている状況では、いずれ破綻を来たします。客観的に考えれば当たり前ですね。それが多くの企業では出来ていません。
それが負債と純資産を見ればわかるようになります。わかるようになれば対処はできます。

2.資金の源泉
資金の源泉とは、収益です。つまりそのほとんどは売上高です。損益計算書を見ればわかります。さらに管理会計志向の損益計算書を見れば詳細にハッキリわかります。ただし、多くの場合会計事務所に頼っていればわかりません。なぜなら、多くの会計事務所は事務所で決算書が作りやすいように指導しているだけだからです。ここに会計事務所に依頼するとしても、会計事務所を選ばなければならない大きな理由があります。

3.資金の運用
資金の運用とは少し難しい用語ですが、要は調達した資金をどのように活用しているかということです
それは貸借対照表の資産を見ればわかります。
大きく、当座資産、流動資産、固定資産に分けて、見る必要があります。業種問わず、流動と固定の比率は6:4程度に運用したいものです。また運用と調達を比べてみる必要もあります。当座資産と流動負債はできれば1:1以上(当座資産のほうが多い)、固定資産と純資産は2:1以下(固定資産は純資産の2倍以下)にしたいものです。

4.資金の使途
資金の使途とは、おカネの使い途のことです。これは損益計算書の売上原価であり、販売費及び一般管理費であり、営業外費用のことです。これも管理会計志向の損益計算書であればズバリ核心がわかります。重要なことは自社の目標売上総利益率・営業利益率・経常利益率を持つということです。逆の視点から言えば、許容売上原価率・販管費率・営業外費用率ということになります。またどの会社でも使途の中で人件費が一番ウェートを占めますので、許容売上高人件費率を持つことも重要です(一般的に労働分配率といいますが、それは学術的であり、実学としては売上に対する人件費として指標化したほうが単純明快だと思います)。

 

 

このようなことが経営のフレームワークとして確立すると、会社運営のマネジメントレベルは向上し、堅実な成長を歩む会社経営ができることになります。


掲載日:2015年4月8日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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