会計で会社を良くできる-2

第2回 経理は「社長の仕事」

「経理は社長の仕事ではない」と頭から思われている経営者が多いのではないのでしょうか。確かに、事業の発展に伴い経理を信頼できる将来のパートナーに委ねても良いと思いますが、少なくとも創業当初あるいは年商5千万円ぐらいまでは、むしろ「経理は社長の仕事」として位置づけることをお勧めします。

なぜなら、そうすることによって数多くのメリットが生じるからです。

 

1.経理を通じて会社の状況が把握できる

経理処理をすると、預金通帳・請求書・納品書・領収書・レシートなどの証憑書を通じて、会社の活動がすべてわかります。それをもとに会計ソフトで入力していくと、その時点の各勘定科目残高がわかり、財務諸表が作成できます。そうすると、どうすれば会社の財政や損益が改善できるのか、わかるようになってきます。つまり、会社の仕組み・構造がわかるようになります。
これはのちのち、会社がもっと成長したときの『経営者の経営スキル』を高めることにつながります。
いわゆる経理は経営管理の略」と言われる所以です。経理に対して積極的な姿勢を持ちましょう。

 

2.会社の資金の流れがわかる

次に経理を自ら行うと、会社の資金繰り状況がわかります。資金繰りとは、結局、支払を滞りなく、かつ設備投資も極力自前でできるように現預金の管理を行うことです。経理を行うことで、どうすれば現預金が増え、どうしなければ現預金が増えないか、あるいは何をすれば現預金が減るのか、などを体得できるようになります。それによって資金繰りスキルが向上するようになります。
資金繰りは会社の生命線です。資金管理は経営するうえで大きなスキル『経営スキル』です。

 

3.売掛金の回収管理と回収方法が身に付く

さらに経理を自ら行うと、どこの得意先が期日になっても支払をしないのか、わかるようになります。当然、その状況は社長の頭に記憶されることになります。つまり、立派な与信管理ができることになります。この得意先と取引するときは「要注意」というランプが頭の中に点滅し、それなりに注意して取引が行えることになります。また期日内に支払いがなければ、当然のことながら督促を行なって、早期回収に尽力することになります。それが回収技術のノウハウになります。
資金繰りの大動脈は売掛金の残高管理であり、回収管理です。そのことを身にもって体験し、学ぶことができます。

 

4.財務諸表、決算書、申告書が読めるようになる

いま多くの経営者が決算書や試算表のなどの財務諸表、あるいは申告書を読めないと言われています。これは社長が経理にまったくタッチしないからです。当然かのように配偶者やパートの事務員などにさせることに大きな原因があります。
これを社長自身が経理を行うことで、自然と会社の数字に強くなります。すると必然的に財務諸表が気になり、自ずと財務諸表が読めるようになります。たとえば、現預金の残高はどのくらい必要なのか、売掛金の増減と残高のあり方は、在庫である適正な棚卸の額は、売上の推移は、売上総利益率は、人件費は、分配率は、営業利益率は、など知識ではなく知恵として掴めるようになります。そうなると申告書も理解できるようになります。
決算・申告は税理士に任せているといっても、世の中の税理士も千差万別です。これらの書類が読めるようになると税理士の選別もできるようになり、より素晴らしい税理士と出会えるようにもなり、事業に大きなプラスとなります。

 

5.人件費が抑えられる

最後に自ら経理をするわけですから、当然、他人に任せるより人件費を抑えることができます。創業まもない時期あるいはまだ売上規模が少ない時期には、いかに少数精鋭で運営していくかが経営上の大きなポイントです。ヒトは一番大きな投資であり、また雇用した以上は一番大事にしなければならない財産です。
そのためにも経理を社長自ら担当し、会社の隅々まで知り、経営力を高めることは重要です。 

 

 

経理を社長自身で行うメリットはもっとほかにもありますが、デメリットは一つもありません。
経理をやる時間がないと言われる場合もありますが、毎日とまでは言わなくとも2・3日に一度経理をすれば1回につき1時間もかかりません。したがって「時間がない」というのは言い訳に過ぎません。ともかく、いま、経営者の『経営技術』を高めることが重要です。そのためには経理を社長自ら行うのが、一番の早道だと思います。


掲載日:2015年3月25日 |カテゴリー:会計処理, 会計識字率, 経営技術

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