やさしい仕訳の話 棚卸の仕訳

第15話 棚卸の仕訳

1.棚卸とは
棚卸とは在庫のことです。この在庫を計上しないと原価はわかりません。
例えば、A商品を仕入単価1000円で10個仕入れ、販売単価2000円で5個売った場合を考えましょう。粗利益はいくらでしょうか?但し、在庫は無かったとします。
 売上10000円(=@2000円×5)-仕入5000円(=@1000円×5)=粗利益5000円

そのとおりですが、会計では次のように考えます。
 売上高-売上原価=粗利益
 売上原価=期首(月初)棚卸高+仕入高-期末(月末)棚卸高
例題で言えば、頭の中で期末棚卸5000円を差し引いて計算していますが、会計では期首棚卸高がゼロであることと、期末棚卸高が5000円であることを仕訳しないと粗利益5000円となりません。そこで次のような棚卸に関する仕訳が必要となります。

 

2.棚卸の仕訳

(1)期首棚卸高を計上する
期首棚卸卸高は費用科目です。ですから資金の運用・使途となりますから借方です。
一方、在庫である商品は資産科目です。その商品を期首棚卸高へ振替えますから、減算させることになりますので、貸方に来ます。したがって次のような仕訳をします。
 [借方]          [貸方]
 期首棚卸高 XXXXX円   商品    XXXXX円

(2)仕入れを計上する
次に仕入れした商品を計上します。仮に掛け仕入れしているならば、次のようになります。
[借方]           [貸方]
 商品仕入高 XXXXX円   買掛金   XXXXX円

(3)期末棚卸高を計上する
期末棚卸高は費用科目ですが、余った商品ですので借方の逆、貸方となります。それを商品を計上することになりますので。次のようになります。
[借方]           [貸方]
 商品    XXXXX円   期末棚卸高 XXXXX円

さて、売上原価の動きはどうなったでしょうか?
期首棚卸高+商品仕入高-期末棚卸高となり、売上原価が算出できるようになりました。

 

3.経営に役立つ管理会計的な棚卸の仕訳

上記の方法では1年間の売上原価が算出できますが、毎月の売上原価を算出することができません。毎月の売上高、毎月の粗利益を把握するためには、上記の仕訳を毎月する必要があります。そのためには次のようにします。

(1)期首棚卸高を計上は同じ
期首月に行う期首棚卸卸高の計上は同じです。
 [借方]          [貸方]
 期首棚卸高 XXXXX円   商品    XXXXX円
この仕訳は毎期、期首開始年月日で計上し、以後は触りません。(これ重要です)

(2)月次の仕入れを計上する
次に毎月の仕入れした商品を計上します。
[借方]           [貸方]
 商品仕入高 XXXXX円   買掛金   XXXXX円

(3)月末棚卸高を計上する
月末棚卸高ですが、科目は期末棚卸高を便宜的に代用します。期末棚卸高を代用して、月末の在庫を商品に計上します。
[借方]           [貸方]
 商品    XXXXX円   月末(期末)棚卸高 XXXXX円

(4)翌月に月末棚卸高を消し込み(戻し入れ)する
2ヶ月目に入れば、一旦、月末卸卸高を消し込みます。
 [借方]             [貸方]
 月末(期末)棚卸高 XXXXX円   商品    XXXXX円
これで一旦、月末棚卸高はゼロとなります期首棚卸高ではありません、これ重要です)

(5)月次の仕入れを計上する
今月も仕入れしたなら商品を計上します。
[借方]           [貸方]
 商品仕入高 XXXXX円   買掛金   XXXXX円

(6)2ヶ月目の月末棚卸高を計上する
2ヶ月目の月末になれば、月末棚卸高を計上します。
[借方]           [貸方]
 商品    XXXXX円   月末(期末)棚卸高 XXXXX円

翌月以後も(4)から(6)を繰り返します。

 

少しややこしかったですか? かもしれませんね、慣れていませんから。
でも最初だけです。何でも同じです。思い出してください・・、クルマの運転なども最初はややこしかったと思います。でも慣れてしまったいまはどうでしょうか?そんなことはありませんね。会計も同じです。
現在は成熟社会です。昔のように売れれば商売が続けられる時代ではありません。
常に現状を知りながら経営をコントロールしていく必要があります。
私どもむさし税理士法人は新しい会計をお届けいたします。


掲載日:2014年5月12日 |カテゴリー:会計処理, 経営技術

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